『猿尾』

 木曽川左岸においては御囲堤を守る為、更に御囲堤よりも川側に位置する土地を守る
為に設置された突き出し堤防。

 他の岸に作られる猿尾は、増水時に水の勢いを弱めつつ下流へいなしたり、
対岸の小河川へ水を流して本川の水量を減らすべくはねる役割もあった模様。

 明治期の河川改修により多くは消え、現存する猿尾は僅か。

  大阪の淀川に見られる様な直角の突き出しではなく、基本斜めに突き出される。
 江戸時代の郡代、岡田将監善政が名付け親と目される。猿の尻尾の様なが命名の元らしい。

 尚、淀川のものは明治期に作られた『ケレップ水制』

『砂防指定地』

・国土交通大臣が指定する土地の区域
 (治水上砂防のため砂防設備を要し、又は一定の行為を禁止若しくは
  制限すべき土地)

・砂防法の公布は明治30年(1897)
 (デ・レイケ指導による瀬戸砂防工事着手 明治11年)

・宅地造成、家屋新築、土砂取等の行為をするのに知事の許可を要する。
 (面積や高さなどにより許可を要しないケースもあり。)

・岐阜県は各所にある土木事務所が、愛知県は各所にある建設事務所が
 許可申請の受付窓口、ってなんで名称が県で違ってるのか。

・愛知県では砂防指定地自体が存在しない市町村が22(名古屋市は区によって
 違う)アリ。
 
・・・掲載の写真を見ての通り、そんなに幅の無い川でも源流地点までの両岸を
規制する指定が明治43年(1910)、約100年も前に行われていたとは驚き。

 写真を撮った岐阜県川辺町の飯田川、この掲示板の少し右で飛騨川に合流、
更に8kmほど先で木曽川に合流する。それを踏まえて支流の一つ一つまで
砂防に取り組んだのでは、と考えます。
                                                                                         2012-11-08