『段木(だんぼく)』
揖斐川町歴史民俗資料館へ訪れた際に撮影した写真から。
「江戸時代徳山村においても、税を払わなければならないが産物らしき物が
ないので、段木を米にかわる税として殿様に納めたものです。
段木は「つだ」ともいわれ ぶななどの雑木を切り倒してそれを二尺二寸
(約70cm)に切ったもので人々はこの段木を割って薪として使っていました」
・・・と説明板(写真中央白板)に書かれています。
珍しくネット検索においても詳しく出て来ないモノ。
段木(つだorだんき)「大垣藩における製材用語で薪となるもの」とある位。
ネット辞書はココの資料を知らない模様。この説明では説明板に書かれた
恐らくは最重要事項の「米に代わる税」が判りません。
別件で検索をしていた際に見つけた「語りつぐ天竜川」という資料にて
伊那谷で「榑木(くれき)」という年貢について書かれています。山の木を
伐って屋根板にするもので、年貢米の代わりに出させたとの事。
榑木=ネット辞書では「ヒノキやサワラなどから製した板材。古くは壁の
心材に、近世では屋根板材に使用」とあり。こちらも税(年貢)との関わりに
触れられておらず、段木と似た感じがします。
材質で名称が異なるものの、中部地方で似た様な税(年貢)が有ったのは
なかなか興味深い事。他地方でも有るかもしれません。
説明絵をもう少し拡大で撮っておけば!ピンぼけ気味ですし。
この時は資料を見る為に訪れた訳では無かったので、外に有った物しか
撮れていません。舟運の常設展示がされている様で、機会が有れば訪れて
みたい場所の一つです。
2012-12-09
『堤内地・堤外地(ていないち・ていがいち)』 KISSO 69号
河川用語。
◎堤内地=堤防で守られている住居・農地のある側
◎堤外地=堤防に挟まれて水が流れている側
低平地では輪中堤によって洪水という外敵から守られているという感覚があり、
自分の住んでいるところを堤防の内側と考えていたと言われる。
・・・大河が近くに無い丘陵地で生まれ育った身には「え?」とかなり意外な
感覚のする用語。
堤内地とだけ聞けば、堤防と河川間の耕作しているところもある河原部分?と
思い、堤外地とだけ聞けば、堤防外側の住居部分かなと思ってしまう。
川沿いや輪中に住む人々と他地域の感覚の違いを知る用語です。
2013-01-09